2020年10月03日
'20.09.19-21 Team OHNO とテント泊で栂池-唐松を縦走する 後編 天狗平-不帰ノ嶮-唐松岳
不帰ノ嶮
(かえらずのけん)
Ⅰ峰、Ⅱ峰、Ⅲ峰で構成され、
Ⅱ峰は北峰と南峰の双耳峰からなり、
北峰の北稜は特に険しい。
天狗ノ頭と不帰嶮との鞍部は、
白馬岳と唐松岳との間で最も標高が低い地点で、
不帰キレット
と呼ばれ、
八峰キレット
大キレット
と併せて三大キレットと呼ばれる急峻な岩稜だ。
最終日は
不帰ノ嶮を越え唐松岳より八方尾根で下山する
Day 3
Mon,21st,Sep,'20
陽が落ちてから風が出て前日と同じく幕体がバタつき、
断続的な眠りでスッキリとしない。
テントから顔を出すと外はガスガス
予報では昼前から回復するみたいだが・・・
朝飯はワンタンを入れた棒ラーメンで簡単に済ませた。
ガスってるので案の定テントのフライはびしょびしょに濡れている。
この日は予定どおりに進めば下山、再び設営することはない。
撤収は45㍑のゴミ袋にフライを押し込み適当に済ませた。
M田氏も復活したようで自分のテントを片付けているのが見えた。
ふぅ~
一安心です。
標高による気圧差と疲労などで急激に酔いがまわったようで、
出す物出して眠ったらスッキリしたとのこと。
06:39 行動開始
この日も天気は回復方の予報なのだが、この状況。
一抹の不安を抱えたままでの出発。
まずは天狗の頭を目指して登っていく。
ガレているが斜度は緩く歩きやすい。
日本海側は雲が切れて青空が。
これは期待できるかも・・・
06:59 天狗の頭2812mに到着
後立山らしい西側が斜面、東側が切れ落ちてる稜線。
天狗尾根はなだらかで開放感もあり気持ちの良い稜線歩き。
だいぶ青空が広がってきた。
程なくして天狗の大下りの取り付きに到着。
メンバー皆、
思わず歓声が漏れる。
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後立山連峰、立山連峰、剱岳
↑クリックするデカイ↑
唐松、五竜、鹿島槍南峰、奥に槍-穂の稜線
↑クリックするデカイ↑
これから向かう不帰ノ嶮、唐松、奥に昨年歩いた五竜、鹿島槍(南峰)
立山、後立山の名峰達が連なるのが一望できた。
ま
さ
に
絶
景
!
まさかこんなにも素晴らしい光景に出会えるとは思っていなかったよ・・・
07:35 天狗の大下りを下降開始
M田氏撮影
ただの急登の下りだと思っていたのですが、
いきなりの鎖場スタートで早くもボヤく俺氏。
なんつーか、心の準備がね・・・
事前情報でも不帰ノ嶮ばかりがクローズアップされていて、
大下りについてはあまり語られておらず。
登りじゃ余裕だと思いますが、
下りだと慎重にならざるを得ない感じ。
中盤にも鎖場有り。
KazYo!ネキのヘルメットにあるように、
安全第一を合い言葉に慎重に下っていきます。
08:26 不帰キレット2411mに降りてきた。
標準CTの17分押し、
まあ写真撮ったりしてるし、ロスは誤差範囲。
ここで隊列を入れ替え。
前日の打ち合わせ通りに
先頭
エースのRock(岩の方)大好きM田氏
2nd
Rock(音楽)は好きだけど岩は苦手な俺氏
3rd
山ヘル(ではない)初使用のKazYo!ネキ
殿
総監督のCozyニキ
という順番で行くことに。
Ⅰ峰は直登ではなくトラバース。
岩場ではあるがイージーモード。
Cozyニキ撮影
M田氏、岳人のオーラを纏っている。
好物の岩場を前にして何を思っているのでしょうか・・・
絵になるねぇ~
振り返って天狗の大下り。
唐松から不帰越えてきて、
コレみたら心折れそう。
難所越えたあとでココ登り返すの?
ってなるよね、きっと・・・
と、
ここですれ違い、
本家マムートの青ヘルを被ってらっしゃる方に、
「ヘルメットお揃いですね~❤」
と声をかけるKazYo!ネキ。
まさかの展開でしたw
前日とは打って変わって殻を破ったみたい。
戸惑う登山者に自らネタばらしをするCozyニキ、
色々爆笑でした。
何にせよ精神的余裕があるのは良いことです。
08:53 不帰ノ嶮Ⅰ峰に登頂
ここまでは難なくこれました。
正面にそびえるⅡ峰の北峰(左手前)と南峰(右奥)
むむっ、何か見える。
ズームでよってみましょう。
赤枠に何か見えます。
さらにズーム。
人が見えます。
核心部の空中梯子っぽい・・・
さらにズーム。
白いヘルメット被っている登山者がいるのが分かります。
というわけで、
これからここに向かいます。
Ⅰ峰よりコルに降りてきました。
Ⅱ峰に取り付きます。
スイスイ登っていく先頭のM田氏
Rock(岩)してるね~
下からCozyニキ撮影
俺氏、KazYo!ネキと続きます。
同じ地点を上からM田氏撮影
鎖もあるし、
ホールドポイントもしっかりしている。
高度感もそこまでじゃない。
M田氏撮影
水平移動の鎖手前で見下ろす俺氏、
先頭のM田氏からアドバイスもらいつつトレースしていく。
後続のKazYo!ネキも殿のCozyニキからの的確な指示でクリアしていく。
水平移動部の足下はこんな感じに切れ落ちてる。
最初の難所はココではなかろうか。
Cozyニキ撮影
岩に取り付く俺氏と奥に頭だけ見える剱岳。
実際に取り付いてみると、
画像で見る程では無いのだが高度感はかなりのもの。
先行のM田氏からは、
「小さいでっぱり適当に踏んで登って下さい」
とのアドバイス。
う~ん、この・・・(汗)
ココが一番難易度高いのではなかろうか。
軽やかな先頭のM田氏
その反対に俺氏は人生最高体重な模様。
振り返って核心部の空中梯子、
先ほどのズームでよった所がココ。
梯子をクリアして上から撮影、
ここで反対方向からの一名とすれ違い。
登り優先ってことで4名通過まで待ってもらいました。
岸壁の中央部に先行の登山者が見えます。
えっ、ココ登るの?
って思うのですが、
先ほど同様に実際取り付いてみるとそこまででは無い。
短い梯子、
錆びてるし頼りない感じ。
しかし青空が近い。
こんな好天で不帰ノ嶮を通過できるとは恵まれています。
振り返って通過中のKazYo!ネキと、
後方から笑顔で見守るCozyニキ
蟹歩きするほど狭くはありませんが右手は切れ落ちています。
続いてトラバースの鎖場、
ガスの中に向かっていくM田氏。
左側は奈落の底に直結、足下は尖ってゴツゴツしている。
グリップの良さそうな岩を選んで慎重に通過。
KazYo!ネキ撮影
北峰直下の核心部
見よ、
このCozyスマイルを!
これが
忍び寄る老いに負けず、
アグレッシブにチャレンジする
アラフィフ男の笑顔だ。
ちなみに足下はこんな感じ、
ココが高度感は一番あるんじゃないかな。
どうすりゃ、あんな爽やかな笑顔になれるのでしょうかね・・・
10:01 不帰ノ嶮 Ⅱ峰北峰に登頂
とりあえず難所は越えたようです。
北峰山頂の少し先は若干開けて平場もあり。
緊張感からも解放され小休止します。
岩に挟まって休む人その1
岩に挟まって休む人その2
振り返って北峰、
南峰にかけてはやせているけど普通の稜線って感じです。
難所を通過したので隊列もキレットシフトを解除。
10:24 不帰ノ嶮 Ⅱ峰南峰に登頂
Ⅲ峰に向かいます。
比較的穏やかな稜線。
振り返ってⅢ峰、
Ⅲ峰は指導標があるような山頂っぽいところはありませんでした。
11:12 唐松岳2696mに登頂
山頂激混みです。
前日のガラガラの白馬とは比べものにならない混みよう。
繁忙期の塔ノ岳、土日の高尾山並に人が多い。
激混みの中、なんとか4人で記念撮影。
Cozyニキは三大キレット制覇し、
M田氏は栂池から扇沢までの稜線が全て繋がる。
ホント凄い人達ですよ。
この人達と一緒に登ると、
自分がいかに普通の人かってことが身に染みてよく分かる。
とりあえず、
人が多すぎて座って休める場所もないので一旦小屋に向かいます。
小屋までもすでに渋滞、
すれ違いの度に歩みが止まる。
が、ここで旧部室の顧問UMEタソとすれ違う。
自分は気が付かなかったけどCozyニキがUMEタソに気が付いた。
この日別動でUKM部隊は、
唐松岳を八方尾根ピストンで来ていたのでした。
唐松小屋より唐松岳山頂、
この混み方は下山も渋滞するかもね・・・
とりあえあず生ビールで乾杯なのですが、
紙コップ、しかも泡が1/3で900JPYっていうね・・・
前日の天狗山荘はジョッキなみなみ入って1000JPYだったので、
とても残念。
お昼は早茹でパスタと茹で汁でタマゴスープ。
Cozyニキにタラコのパスタソースをいただきました。
12:40 八方尾根で下山開始
UMEタソも合流して一緒に下山開始。
部室が閉店してからというもの、
リアルで合うの本当に久しぶりのUMEタソ。
14:04 八方池に到着
ガスガスで何も見えぬ。
けっこう楽しみしていたんだけどね・・・
木道歩きもガスの中。
下山中の眺望はゼロでした。
八方山荘とリフト待ちの行列。
一応徒歩での下山完了です。
標準CT 7時間10分
所要時間 8時間10分
コースタイム 6時間30分
CT比0.91
でした。
距離 9.6km
登り累積標高差 690m
下り累積標高差 1581m
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歩いたルートはこんな感じ。
難所の不帰ノ嶮がメインイベントの最終日でしたが、
正直なところ自分は前日に
ホワイトホースと共に白馬岳に登頂するという
目的を達成したことで大満足で、
不帰ノ嶮はおまけ程度に思っていました。
なので珍しく事前リサーチも入念には行わず、
昨年の同時期に五竜-鹿島槍の
G4、G5、八峰キレット越えできてるし、
行けばなんとかなるだろうと。
外から見ていると確かに険しいですが、
実際に取り付いてみるとそうでもなかったりと。
距離もさほど長くないルートだし、
楽しめる余裕も若干ありました。
ボヤキも大下りでの一回のみだったし。
不安としては過去最高体重なうえ、
テン泊装備で岩稜を抜ける、
あとは目まぐるしく変わる天気予報でしょうか。
結果的に、
要所の通過時は全て青空だったというのは、
大変大きな要因だったと思います。
UMEタソとはここでお別れ。
後続の同行メンバーを待つとのこと。
リフトを2本乗り継いで・・・
兎平に着くと、
まさかのゴンドラ90分待ち。
行列に並んでいると、
後続のHGさん、DTKさんと合流したUMEタソと再開。
実兄のせいら氏だけなぜかいなかった。
登山技術磨いても体力付けてもこればかりはどうにもできん。
この日一番の難所がここにあるとは思いもしなかったよ。
16:40 ようやくゴンドラに乗れました。
下に着くと途中撤退していたMizYo!ネキと感動の再開。
ogrさんもいましたw
この日はGoto使って白馬ハイランドホテルに宿泊。
おまけに続く