2019年08月19日
'19.08.12 脳汁出しまくりながら真夏の戸隠山を登る 後編
戸隠山
標高1904m
古くから修験道場や戸隠流忍者の里としても知られ、
北信五岳の一つに数えられる。
蟻の塔渡り
剣の刃渡り
というナイフリッジでもその名を知られ、
天照大神の伝説の残る信仰の山は、
とても険しい。
さて、
蟻の塔渡りを進むと決断した俺氏ですが・・・
イヤイヤ、コレ本当に渡れるのか?
一旦、分岐点で巻き道を覗き込んで確認。
う~ん、
巻き道ってもほぼ垂直に鎖で下降、
東側の急斜面を鎖伝いにトラバース、
最後も斜度のキツイ鎖場か。
こりゃあ、おとなしく蟻の塔渡りで行った方が良いか・・・
一旦、看板の所まで戻ります。
これがこの世で最後の俺の写真にならないことを祈るばかり。
鎖場で消費した体力の回復させつつ動揺した気持ちを落ち着かせる為、
小休止しつつ後続に先に行ってもらいトレースすることに。
大目に見ても一般登山道じゃないだろ、ここ。
しかし決めた以上は腹をくくっていくしかねえ!
ということで四つん這いで、
まさに蟻のように這うように進む。
なんじゃこりゃあ!
極度の緊張感のせいか
たいして動いてないのに呼吸が荒くなってきてる。
こんなこと今まで経験したことない。
いつもなら股間がヒュンヒュンするのだが、
それも起こらない。
うおぉぉぉ
脳
汁
大
噴
射
ここで先頭の姉御と入れ替わり振り返って撮影。
左手の鎖がかかってるところが蟻の塔渡りの巻き道合流部分。
こうやってみると巻き道も危険度は大して変わらなさそう。
越
え
た
Yo
!
実に長く感じる25mだった。
山頂とピストンしてもう一回、
しかも下りで通ろうとは全く思えん。
命がいくつあっても足りねえよ・・・
上から蟻の塔渡りを見下ろすとこんな感じ。
改めて見ると本当にナイフリッジ、
クレイジーだ。
怖いのは難所を越えた安心感で、
気が緩んでしまうこと。
下山方向でも鎖場があるからね。
11:13 最初のピーク、八方睨1900mに到着。
その名の通り八方を見渡せる眺望の良い山頂です。
緊張感と集中力をこの先も維持する為にも、
休憩することに。
脳汁出過ぎると甘い物欲しくなるのね。
これも初めての経験。
西岳、
こちらも戸隠以上との噂ですよ。
北側には百名山の高妻山(2353m)、
美しい山容ですね。
正面のスキー場があるのが飯縄山。
奥社に続く参道も確認できますね。
参道のアップ、黒っぽくなってるところが参道、
奥社の屋根も見えますね。
この感じ久しぶり。
暑いけど天気の良い日に来て良かった。
11:31 戸隠山1904mに登頂
緊張感から解放され疲れがドッと出てきました。
暑さもあってけっこう疲弊してる。
ここでしばし休憩、
体力以上に精神力の回復に努める。
下山でパンパカは御免こうむりたい。
すると蟻の塔渡りで一緒だった姉御が到着。
と思ったらすぐに引き返してまた戻ってきた。
「コレ、アナタノデスカ?」
と片言の日本語で、
自分の落とした携帯灰皿を拾ってきてくれた。
お礼ついでにちょっと話すと大阪在住でアメリカ出身とのこと。
三日後には白馬から白馬槍に登るそうで。
北アの有名な高峰はほとんど登ってるかなりの健脚さんでした。
戸隠山から九頭龍山へは右手側が切れ落ちた稜線を歩いていきます。
こんな所が何カ所もあります。
いつもの自分なら足のすくむ稜線歩きのはずだが、
難所を越えたせいか感覚が麻痺してる。
こういう時が一番怖い。
12:29 九頭龍山1883mに到着
ここから一不動までがやたら長く感じました。
ここでまさかの鎖場で登り返し。
いい加減お腹いっぱいですよ。
ここらでちょいと方向感覚をなくしてしまい地図で確認。
現在地確認のため眺望のあるところまで戻ろうと引き返すと、
先ほどのアメリカンの姉御(以下米ネキ)がやってきた。
結局下山はなりゆきでこの米ネキと一緒に下りることに。
13:38 一不動避難小屋(標高1747m)に到着
なんか旧帝国陸軍っぽいコンクリートの作りですね。
高妻山はここより150分か、けっこうあるね。
牧場までは90分。
自分はさらに奥社の駐車場に車の回収しなきゃなんでさらに+30分ってところ。
16:00前に戻れれば御の字かな。
13:56 氷清水(標高1650m)に到着。
小屋から下りで15分ほどです。
冷たくて美味い!
1.5リットル持ってきたハイドレーションも使い切ったところだったのでありがたい。
まあ水は予備入れて残り1リットル以上残ってるけど。
ここからは沢筋に沿って下りていきます。
足下が浮き石も多くガレてるし、
濡れて滑りやすいしで歩きにくい。
下山も鎖場です。
こんな感じで滝の横が鎖場になってます。
今度は横ばいです。
しかも長い。
どこまでも鎖が続く感じ。
また脳汁出てきた。
振り返って撮影。
ここが帯岩(標高1590m)とのこと。
なにやら一枚岩らしいですよ。
キラキラと反射する沢筋をひたすら下りていく。
また鎖場、
マジか、ここ下りるのかよ・・・
しかもけっこう高い。
どうやらここが滑滝(標高1425m)のようだな。
振り返って、この高さ伝わるでしょうかね・・・
沢のすぐ横なんで、鎖も足下も濡れててとにかく滑る。
ここも大量脳汁ポイント。
とにかく緊張の連続でした。
高山植物にしばし癒やされる。
その後右岸と左岸を何度も行ったり来たり。
15:03 牧場のゲートが見えてきた。
We did it!
牧場に向かってはこんな感じの草原になってます。
ようやく険しい道から解放。
牧場から戸隠山を振り返る。
さっきまであそこにいたんだよなと思うと感慨深い。
米ネキは牧場からバスだそうで、ここでお別れ。
15:54 車道をトボトボ歩いて奥社の駐車場に戻り下山完了。
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歩いたルートはこんな感じ。
所要時間 7時間35分
歩行距離 10.8km
累積標高差 986m
でした。
この天気と気温、三月ぶりの登山なら、
所要で標準コースタイム+30分ならまずまずか。
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GPSデータはこんな感じ
久々登山で肉体疲労もさることながら、
それ以上に精神的に疲れました。
脳汁が出過ぎたせいですかね。
達成感とかあんまりなくて・・・
無事に下山したことをただただ噛みしめるばかりでした。
距離と標高差はこんな感じ。
奥社から先、水平移動距離約1kmに対し標高差約600m。
今まで経験無い斜度、話のネタには良いと思いますよ。
それにしても高所恐怖症なのに、
なんでこんな所行っちまったんだろ・・・
ここで下山後の汗を流したのですが・・・
完全にキャパオーバー。
近くのチビッ子忍者村から子連れファミリーが続々とやってきてとても落ち着いて入れない。
もうね完全な芋洗いですよ。
なので早々に退散しました。