2017年12月21日
'17.12.16 静かなる初冬の大室山、加入道山をストイックに登る

3月 大倉-蛭ヶ岳の日帰りピストン
6月 雲取山鴨沢ルート日帰りピストン
7月 上高地-涸沢の日帰りピストン
どうもそれ以降の山行は脳内からの分泌物が少な目で物足りない感じ。
脳内分泌物をドバドバ分泌さるために、
キツいルートをストイックに登りたい。
時期的に高い山は無理。
近場の低山でハードなルート。
大倉-蛭ヶ岳も良いが、出来れば未踏破の山が良い。
必然的にエリアは丹沢に絞られる。
主要なピークで未踏破となれば大室山-加入道山の周回ルートか。
山渓オンライン曰く
「犬越路から大室山の肩まで一気に500mの登りは、
丹沢でも一、二を争う稜線上の登りである。」
とのこと。
これは犬越路から登るしかあるまい。
金曜夜に職場の忘年会だったが、
水曜の段階で適当に理由を付けて断った。
金曜夜に酒飲んで土曜に山に行けたためしがない。
自分はめっぽう酒が好きだからこそ、楽しく飲みたい。
楽しく飲めないなら行きたくないわけよ。
今時
「俺の酒が飲めないのか」
とか聞こえてくる飲み会とかって無理。
つか、俺の酒じゃなく店の酒だし。
ということで、

地元でラーメン食ってカーボローディングです。
右はキャベチャー、100JPYなのがありがたい。
自宅に戻り最終チェック、
仮眠とって出発のはずが熟睡。
予定より1.5時間遅れで出発。
まあ結果的にしっかり眠れたことが良かったのですが。

07:10 西丹沢VC到着です。
時期的なせいか時間の割には車はそれほどでもない。
出発が遅れたので用木沢出合の駐車場に駐めることも考えたが、
・駐車スペースがほとんど無い
・登山届けを出せない
・トイレが無い
・いきなり犬越路の急登はキツイ
という理由で西丹沢VCからのスタートにしました。
VCから用木沢出合までの舗装路でウォーミングアップを済ませる感じです。

07:30 トイレを済ませ、身支度を調え、登山届けを提出して出発です。
駐車場にいた人達の姿が全く見えないので、
すぐにツツジ新道入ったか、吊り橋渡ったのか。
目的通り静かな山行になりそうです。

天気もまずまず、美しい山容です。
今日はここに登るのかと思うとテンション上がってきました。
でもここはウォーミングアップ。
なのでペースはほどほどで、エンジンは暖気運転です。

07:54 用木沢出合に到着
檜洞丸もここから登りました。
犬越路直下は急登ですが、そこまではとても楽しい山歩きです。

身体もほどよく温まってきたのでインナーのフリースをしまいます。
ここ何回かはライト&ファストだったので、久々にビバーク装備混み。
ザック重量13kg、全備重量15kg。
この背中の安心感ったら。

アーチ橋から行きますよ。
この橋、もし「山にかかる橋100選」とかあったら入れて欲しいな・・・

時期的に水量が少ないせいか水が綺麗。
ユーシンブルーまでじゃありませんが銅イオン的発色です。

一旦開けた川原に出て遡行していきます。
この辺で踏み跡を二つほど確認。
先行者が二人はいるようです。

08:28 犬越路まで0.9km、この辺から急登になっていきます。
さっ、気合い入れていきますよっ!

樹林帯を階段で標高上げていきます。
いきなり乳酸たまりまくりです。

08:44 犬越路まで0.5km地点
16分で400m、4分で100mならまずまず。
前回は暑さもあって7分で100mでした。

ひしゃげた道標が落ちてました。
しかも不自然に石がのってます。

苦手なガレ場をつづら折りで登っていきます。
耳裏で脈打つのが直に脳みそに伝わってきます。
つまりそれだけ静寂な空間なわけですよ。

08:51 残り0.4km地点、前回のトラウマ払拭なるか?
と思いましたが、今回もキツかった、
今回もここの100m区間で7分かかりました。
二回目でもキツいもんはキツい。

そして乳酸溜まりまくりの足に、
階段が容赦なく追い打ちを掛けます。

階段登り切って振り返るとこんな感じ。
なかなかの斜度だと思いますよ。

09:05 犬越路1060mに到達
西丹沢VCより歩行距離4.3km 所要時間1時間35分
ザック重量+3kgで前回よりも19分短縮なら結果は上出来といことで小休止。
高度計は誤差10mほど。
区間標高差と距離を割り出したところ約1.2kmで標高差360mでした。
1kmで標高差300m、平均勾配30%です。
そありゃぁキツいわけだ。
今回のキーワードは勾配ですね。

犬越路からの眺望はまずまずです。
ペース配分が良かったせいか体調も問題無し。

09:19 第二チェックポイントの大室山を目指します。
犬越路から距離は2.6kmですが単純標高差で527mあります。
う~ん、1kmで標高差約200m、20%です。
そこそこの勾配ですな・・・
ちなみに大倉尾根が7kmで1200m、17.14%です。

避難小屋の右手脇を登っていきます。
さて、
「丹沢でも一、二を争う稜線上の登り」
とやらに行ってみようじゃないの。

開けてきて開放感があります。
ぐぅ~っと青空が近づいた感じがします。

09:32 開けた小ピークに出ました。
時間的にはおそらく大杉丸1169mかな?

しばし稜線歩きです。
自分の中では丹沢ってこういう感じなのです。

左手には富士山。
笠雲がかかってますが素晴らしい眺望でした。

鎖場が出てきました。
ほぼ垂直に標高を落とします。
鎖はつかわなくても大丈夫そうでした。

こういうのなんか好き。
川崎モアーズの短いエスカレーターみたい。

白く見えるのは木の枝が凍ってるようです。
時折上から落ちてきました。

ここからは熊笹です。
これも丹沢らしい一面かなと思います。

熊笹が深くなってきて膝上から腰くらいまでありました。
足下が見えず、凍結でなんどか滑ってヒヤッとしましたよ。

再び富士山です。
だいぶ標高も上がってきましたよ。

稜線を階段でまっすぐに登っていきます。
ここも実に丹沢らしい。

少し霞んでましたが真鶴岬が見えました。
徐々に山エキスが満ちてくるのを実感します。

ここも階段です。
登り切れば時間的にそろそろ山頂も近いはず。

10:40 西の肩分岐に到着
ここから山頂までは300mほど。
高度計的に山頂まではほぼフラットな稜線歩きです。

山頂まではうっすらと雪の積もった静かな道です。

10:46 大室山1587m登頂!
何気に大室山は丹沢山塊で6番目の高峰です。
西丹沢VCより距離6.9km、所要3時間16分でした。
眺望はありませんがとても静かでこぢんまりとしています。

10:52 ベンチとか休憩できる所もないので山頂を出発

10:57 再び西の肩分岐です。
次なる目的地の加入道山を目指します。

すぐに木道がでてきました。
これこれ、
まさに丹沢って感じです。

階段で一気に標高を落とします。
なんか丹沢山-蛭ヶ岳間の稜線に似てる感じです。
つか、このルート逆回りでここ登りたくないな・・・

ここらも眺望ポイントです。
正面の山肌は随分と崩落していますね。

螺旋的に垂直方向へ標高を下げます。
ラグナセカのコークスクリューを思わせます。

11:27 破風口1350mに到着。
コークスクリューの先のヤセ尾根は破風口でした。
ここまで大室山から一気に237mも標高落とします。
その名の通り風が吹き抜けておりました。
ナイフエッジのヤセ尾根で風の通り道、
このルートの一番の危険箇所かと思います。

破風口から登り返して
11:41 前大室(馬場峠)1425mに到着。

そしてまたまた階段で標高を落とします。
なかなかにアップダウンが連続します。

11:47 避難小屋まで300m、あと少しです。

11:53 加入道山1418mに登頂です。
西丹沢VCより距離9.0km、所要時間4時間23分でした。
ここの山頂は標柱も標高表示もありませんでした。
ベンチはありましたが風も有り気温も低いので避難小屋で昼食を取ることにします。

2016年に立て替えたという避難小屋、
なんと外壁はガルバニウムです。

中も綺麗です。
収容はぎゅうぎゅうで10人くらいかな。

お昼はパスタです。

マイハニーにテイクアウトしてもらったアルボンディガス(スペイン風肉団子)
を入れたスープパスタと、余ったお湯で作ったじゃがりこマッシュポテト。

12:48 小一時間ほどのんびりできたので下山を開始します。

13:02 まずは白石峠1307mまで降りてきました。

階段でグングン標高を下げていきます。
整備したてのようでとても綺麗です。
アイゼンの爪痕が無いので一冬越してないみたい。
最近整備されたみたいですね。

鎖場を下から見るとこんな感じ。
鎖場の上部は旧登山道のようでしたが、
落石と崩落で木段の残骸が残ってました。

崩落したであろう岩がゴロゴロしています。
涸れた沢のガレ場といった感じ。
夜間や雨後は歩きたくないな・・・

用木沢出合まで3.2km、
標柱は金属製の黄色で真新しい感じでした。

等高線に沿って眼下に沢筋が見えます。
けっこう高度感がありました。

う~ん、なんかこの橋渡りたくないな・・・
等高線に沿ったトラバースですが、
右手側は切り立った崖で高度感たっぷりでした。

樹木に遮られていますが白石の滝が見えました。
この辺りから落ち葉の下に浮き石が多数。
落ち葉越しに何度もズルッと滑って冷や冷やしましたよ。

沢筋に降りてきました。
用木沢とどことなく似ています。

堰堤の脇を降りていきます。

こんな間近で堰堤を見ることも珍しい。
堰堤の正面の丸太橋で渡渉します。

14:19 轍が残ってます。
どうやら白石林道に出たようです。

右手に橋が、どこに繋がってるんだろうか?
方角的にはモロクボ沢の方かな・・・

用木沢出合まで0.8km、ここからは舗装路です。

14:31 ゲートが見えてきました。
用木沢出合に戻ってきました。

14:58 西丹沢VCに戻ってきました。
標準コースタイム8時間10分
コースタイム6時間11分
所要時間7時間28分
CT比0.76
でした。

距離14.6km
累積標高差登り1506m
累積標高差下り1501m

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歩いたルートはこんな感じ。

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今回のGPSデータ。
甲相国境尾根は西丹沢の北、
奥まった稜線は人が少なく静かな山を堪能するには最高のエリアですね。
丹沢の最奥地にどっしりと構える大室山は、
存在感のある丹沢らしさを凝縮した登り甲斐のある山でした。
犬越路からの登りはなかなかの稜線歩き。
行くなら眺望が期待できる落葉時期ですかね。
この周回ルート、どちらから登ってもドMじゃないかと。
得る物の多かった充実の単独行でした。
前日からの睡眠のおかげで下山後は体力に余裕もあったので仮眠も無しで早々にVCを離脱。
おかげで珍しく渋滞にもはまらず、17時過ぎには横浜に到着。

地元の焼き鳥屋さんでマタ~リと飲みました。
今回の教訓
土曜に登るなら金曜に酒飲むな